メアリー・エレンからのメッセージ(2010)

WRAP

日本で皆さんにお話できることがとても楽しみでした。メンタルヘルスのリカバリーと 元気回復行動プランへの取り組みが、こんなに熱心に行われているのを目にすることは、 私にとって心が躍る特別なことです。人生のある時期、精神的な困難に圧倒されていた人たちが、今はリカバリーに取り組み、自分のやりたいことをし、自分の望むような生き方をしています。そして、 希望は常に満ち溢れているということを、私は皆さんに知ってほしいと思います。心の健康や癒しに焦点を当てる、元気やリカバリーに焦点を当てることで、 人々はどんどん元気になっています。
今、リカバリーという言葉は普通に使われていますが、私がこのテーマの探求を始めた時、人々は リカバリーについて語ることはありませんでした。リカバリーを考えるどころか、そういう言葉さえなかった。以前、精神的な困難を持つ人は 決して良くならない、ともすると悪くなる一方かもしれないと考えられていました。その考えは、どうしたら良くなるのか、どうやって元気になることに取り組めばいいのかを教えられていなかったからだと思います。
けれど、今、この日本でも WRAPが使われています。元気に役立つ道具のリストを作り、その中からできるだけ元気でいるために毎日する必要のあることを選び、実行しています。そして、もし気分を乱すようなことがあったときはどうしたらいいのかの行動プランを作り、そのプランを使っています。気分が優れない時に、元気になる助けとなるよう、それらの道具を使っています。
さらに、調子がとても悪い時に、つまり以前ならばクライシスとみなされて入院しなければならなかったような時に、それらの道具を使って元気になり、自宅で過ごし、自分が望むことを知って望むように過ごすことに役立てています。
日本に来て耳にしたことで、私がとても辛く感じていることが1つあります。同じことは、アメリカでも世界中のほかの国でも起きています。それは、精神的な困難を経験している人が、 リカバリーに取り組むための助けを得る代わりに拘束を受けること。時に長期間ベッドに縛り付けられ、自分をいたわるために必要なことをすることも許されず、 ひどい扱いを受けているということ。私はこのことがとても気がかりです。この方法は治療ではありません。全く良い方法ではない、フェアではありません。
人が助けを求めた時、家族に連れられて助けを求めに来た時、何があったのかを聞いてあげることが一番大切なことだと私は強調したいと思います。精神的な困難を経験した人の多くは、 以前に何かとてもひどい思いをしたことが今では広く認識されています。その人たちは何があったのか、何が必要なのか、そして何が助けになるのかを尋ねてもらうこと、優しく扱ってもらうべきです。もし何も思い浮かばなかったとしたら、可能性のあるアイディアをたくさんもらう必要があります。誰かと一緒に散歩に行けば助けになるだろうか。誰かがただ話を聞いてくれたら、静かで居心地のいい場所で誰か一緒にいてくれたら、助けになるだろうか。気分を良くするための助けになる音楽はあるだろうか。絵を描く、粘土を使うとか、気分が良くなるための活動はなんだろうか。
このように、気分の改善に役立つことを考え始めることから、リカバリーは始まるのです。そこからどんどん良くなり、元気回復行動プランや自分が元気になることに取り組み始めることができます。
私は、この日本で、こんなに多くの人たちが、メンタルヘルスのリカバリーと元気回復行動プランに高い関心を持っていることをとても嬉しく思います。私は、自分1人で、またラップのグループで、自分の元気に取り組んでいるとてもたくさんの人たちと出会いました。日本にも、ラップファシリテーターになるための研修を受けた人が数多くいます。彼らは、自分自身の元気に取り組みながら、ほかの人たちが元気回復行動プランを作る手助けとなるための取り組みをしています。ラップグループのファシリテーターとなる人たちの多くは、自らも実際にとても神刻な精神的困難を経験してきた人たちです。彼らの人生は以前と変わり、今は希望を持ち、幸せで、自分の望むことをしています。

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