「耐性領域(耐性の窓)」改訂版

心理学

傷つくとその人の「耐性領域(耐性の窓)」が狭まることを知っておきましょう。また、狭くなったその領域を広げるヒントがあります。

※長谷川メンタルヘルス研究所の遊佐安一郎先生が作成した図を改変した図(改訂前)を記します。

※この図の中の交感神経・副交感神経の昂進・抑制の記述を2024/06/08(土)に訂正したものが、アイキャッチ画像の図です。

「トラウマ(心的外傷)」が「危機」を与えて耐性領域を狭めるのに対して、「レジリエンス(回復力)」が「安心」を与えて耐性領域を広げることがわかりますでしょうか。

図の中央の緑色の領域が「耐性領域(耐性の窓)」を示しています。皆さんは常に「耐性領域(耐性の窓)」というものを持っています。耐性領域の範疇では、自分の生活で何が起きても対処できるような感覚を持てる。ストレスやプレッシャーを感じても、さほど苦にならない。社会的機能をこなすことができます。この領域が広いほど、ゆとりがあると思っていいでしょう。

耐性領域の上部のオレンジの部分は、過覚醒状態・闘争逃避状態(不安・怒り・混乱・圧倒された状態)を示します。過覚醒状態・闘争逃避状態(不安・怒り・混乱・圧倒された状態)では、体が戦うか逃げるかの行動を起こしたがる。反応が自分を乗っ取る。選択してではなく、危険・敵に意識が向き、記憶が悪い方に歪んでしまいます。

耐性領域の下部の青の部分は、過鎮静状態・凍結状態(無感覚・麻痺・呆然となった状態)を示します。過鎮静状態・凍結状態(無感覚・麻痺・呆然となった状態)では、体の、自分の全てをシャットダウンしたい反応が自分を乗っ取る。選択してではなく、記憶が途切れる。飛ぶこともあります。

「トラウマ(心的外傷)」はトラウマ体験(トラウマ再体験を含む)や非承認体験(人に認めてもらえなかった体験)や様々なストレスや不眠、その他その人にとって独特のトラウマとなりうる物事です。図の左側の右向きの赤い矢印にあたります。その人に危機感を与えます。

普段はある程度、広い「耐性領域(耐性の窓)」があります。しかし、一旦、「トラウマ(心的外傷)」を受けて、危機を感じると、過覚醒状態・闘争逃避状態や過鎮静状態・凍結状態の領域が広がることによって、「耐性領域(耐性の窓)」は、せばめられてしまいます。

「トラウマ(心的外傷)」により、危機を感じている時は、「耐性領域(耐性の窓)」が狭くなり、自分の生活で些細な事が起きても対処できず、ストレスやプレッシャーを重く感じて、大変な苦を味わうことになります。ひどいと社会的機能をこなすことができなくなります。通常のゆとりがなくなってしまうのです。

「耐性領域(耐性の窓)」が狭くなった状態を元の状態に戻すには、どうしたらいいのでしょうか。何が必要なのでしょうか。

それは「レジリエンス(回復力)」です。図の右側の左向きの緑の矢印にあたります。承認される体験(人に認めてもらえる体験)やマインドフルネスや活動・休息のバランスや呼吸法・筋弛緩法、その他その人にとって独特の「レジリエンス(回復力)」となりうる物事です。これらはその人に安心感を与えます。

「レジリエンス(回復力)」で、安心感を得ることにより、せまくなった「耐性領域(耐性の窓)」を広げる効果があります。

「レジリエンス(回復力)」の中で紹介した、「マインドフルネス」について知りたいかたには、「ジョン・カバットジン」さんの「マインドフルネスのはじめ方」というCD付きの本(金剛出版発行)をおすすめしたいです。

以下、2024/06/08(土)に追記。

【Q.1】

トラウマに対する耐性領域の影響を調べている。トラウマを受けた時、人の交感神経は昂進するのか抑制されるのか、また、トラウマを受けた時、人の副交感神経は昂進するのか抑制されるのか。

【ChatGPTのA.1】

トラウマに対する耐性領域(トラウマを受けた時の心身の反応)については、交感神経系と副交感神経系の反応が重要な要素となります。以下に、トラウマに対するこれらの神経系の反応について説明します。

### 交感神経系の反応

交感神経系は、体が「戦うか逃げるか」(fight-or-flight)反応を引き起こすときに活性化されます。トラウマを受けた時、交感神経系の反応としては次のようなことが起こります:

– **心拍数の増加**:心臓の拍動が速くなり、血液を全身により迅速に送り出します。
– **血圧の上昇**:血圧が上がり、重要な器官に酸素と栄養を届ける速度が増します。
– **呼吸の速さと深さの増加**:酸素の取り込みを増やし、エネルギーを供給します。
– **筋肉の緊張**:身体が即時の行動に備えます。
– **消化活動の抑制**:消化器官への血流が減少し、消化活動が抑制されます。

これらの反応により、交感神経系はトラウマに対する防御的な対応を強化します。

### 副交感神経系の反応

一方、副交感神経系は「休息と消化」(rest-and-digest)を促進し、交感神経系の活動を抑制する役割を果たします。トラウマを受けた時、副交感神経系の反応としては次のようなことが起こります:

– **心拍数の低下**:心臓の拍動が遅くなります。
– **血圧の低下**:血圧が下がり、リラックスした状態を促します。
– **呼吸の緩和**:呼吸がゆっくりと深くなります。
– **消化活動の促進**:消化器官への血流が増加し、消化活動が活発になります。
– **筋肉の弛緩**:筋肉がリラックスし、身体が休息に向かいます。

トラウマの直後には、交感神経系が優位になり、副交感神経系の活動が抑制されることが多いです。しかし、トラウマからの回復過程では、副交感神経系の働きが重要となり、身体のリラックスと回復を促進します。

### 耐性領域の影響

耐性領域(resilience zone)とは、ストレスやトラウマに対する適応能力の範囲を指します。個人の耐性領域が広い場合、交感神経系と副交感神経系のバランスを取り戻しやすく、トラウマからの回復も早くなります。逆に、耐性領域が狭い場合、交感神経系の過剰な活動が持続し、副交感神経系の回復機能が抑制されやすくなります。

まとめると、トラウマを受けた時には交感神経系が昂進し、副交感神経系が抑制される傾向があります。しかし、耐性領域の影響により、この反応の強さや回復の速度が個人によって異なることがあります。

【Q.2】

レジリエンスによる耐性領域への影響を調べている。レジリエンスを得た時、人の交感神経は昂進するのか抑制されるのか、また、レジリエンスを得た時、人の副交感神経は昂進するのか抑制されるのか。

【ChatGPTのA.2】

レジリエンス(心理的回復力)とは、ストレスやトラウマに直面した際に、効果的に適応し、回復する能力を指します。レジリエンスが高い人は、ストレスやトラウマに対する耐性領域が広く、神経系のバランスを保つ能力が優れています。以下に、レジリエンスが交感神経系および副交感神経系に与える影響について説明します。

### レジリエンスと交感神経系

レジリエンスが高い人の場合、交感神経系の反応は以下のように調整されます:

– **適応的な反応**:レジリエンスが高い人は、ストレスやトラウマに直面した際に必要に応じて交感神経系を活性化させることができますが、その反応は適度であり、過剰に昂進することはありません。これにより、ストレス状況で迅速かつ適切に行動することが可能になります。
– **迅速な回復**:ストレスや危機が過ぎた後、交感神経系の活動は迅速に低下し、通常の状態に戻ります。これは、レジリエンスが神経系の過剰な興奮を防ぎ、身体が恒常性を保つのに役立つためです。

### レジリエンスと副交感神経系

レジリエンスが高い人は、副交感神経系の反応も以下のように調整されます:

– **効果的な回復**:レジリエンスが高い人は、ストレスやトラウマからの回復過程で、副交感神経系の活動が迅速かつ効果的に促進されます。これにより、身体のリラクゼーションや消化活動が活発になり、全体的な回復が早まります。
– **ストレス後の安定**:副交感神経系の活動が効果的に働くことで、ストレスやトラウマからの回復後に心身の安定を維持しやすくなります。

### 具体的な影響

– **交感神経系の調整**:レジリエンスが高いと、交感神経系は必要な時に適度に活性化し、ストレスが軽減されたらすぐに抑制されます。これは、ストレスホルモンの適切な分泌とその迅速な収束を助けます。
– **副交感神経系の促進**:レジリエンスが高いと、副交感神経系が効率よく働き、心拍数の低下や消化活動の促進など、リラックスと回復がスムーズに進みます。

### まとめ

レジリエンスが高い人は、交感神経系が適度に活性化し、その後迅速に抑制されるため、過度なストレス反応を避けることができます。また、副交感神経系が効果的に働き、ストレスやトラウマからの回復を迅速かつ効率的に促進します。結果として、レジリエンスは神経系のバランスを保ち、耐性領域を広げる重要な要素となります。