WRAPを使う(改訂版)

WRAP

WRAPを使う

WRAPは誰にも開かれています。いつでも使うことが出来ます。WRAPはあなたがそうありたいと望むような道で、あなたをサポートしてくれます。また、あなたがそうしたいと望む事柄で、あなたを支えてくれるでしょう。
私達のグループがWRAPを開発した時、私は家に帰って、自分のためにWRAPを書いていることに、とても感動していました。WRAPと共に生活していくと、私の人生はドラマティックに変化しました。年月を過ごしていくと、私はどんどん良くなっていきました。どんどんよくなっていくと感じました。WRAPは私にとって生き方です。大いなる人生の歩み方です。

私はWRAPを一通り作り上げました。でも、これは設計・作成ができただけです。実際に運用しているうちに改訂する必要も出てくることでしょう。今後、様々な人・本・DVDなどとの出会いで、私のWRAPが成熟していくのが楽しみです。私の人生も「メアリー・エレン・コープランド」さんのように、どんどんよくなっていくことを願います。

価値と倫理

安心できる雰囲気のなか、お互いの経験から学びが生まれる場作りのために、ラップのファシリテーターが大切にしている価値と倫理があります。これらの価値と倫理は、ラップの考案者であるメアリーエレンさんが、ラップクラス(グループ)を進行するにあたって大切な事柄を参加者とともに探求し、言葉に表したリストです。「WRAPの道具箱」(https://wrap-jp.net/)より引用。

ファシリテーターとして、わたしは、
 参加者を尊敬する。
 参加者をありのままに、個性的で特別な人として認める。
 誰にとってもリカバリーに際限はないのだということを常に伝える。
 希望の感覚を大切にする。
 人々の経験を受け止め、肯定する。
 その人の尊厳を尊重し、慈しむ気持ち、敬意、無条件の尊敬をもって接する。
 最終的な回答ではなく、人々に選択の自由と選択肢を示す。
 一人一人が自分に関する専門家(エキスパート)なのだという考えを支持する。

このクラス(グループ)は、参加者は自分自身の経験と他の人の経験から学びます。このクラス(グループ)は、次のことに基づいています。
 自分で決めること:扉を開くものであっても、それぞれの進む道を定めるものではない。
 平等の信念:他の人より、人として優れていたり価値が高いという人は存在しない。
 理解を深め元気を促進するために、お互いに協力し、お互いに学びあうモデルである。
 他の治療法に取ってかわるものではないけれども、それらを補うことができる。
 誰の哲学にも合わせることができる。
 経験している困難の重さにかかわらず、誰にとっても簡単で安全なものである。
 当たり前の感覚に基づいている。
 誰にでもできることである。
 常に変化している:知識は常に拡大し際限がない。
 どのような哲学やモデルにも基づいていないが、どのような哲学やモデルも取りいれることができる。
 プログラムというだけではなく、生き方である。

大きなエゴ、“権力顕示”、思い上がり、偏見、憎しみが入り込む余地はありません。それぞれが抱えている問題、おかれている状況に関わらず、誰もがその場に属しています。あらかじめ定められた結果があるわけではありません。自分自身のゴールを目指して、それぞれがそれぞれのペースで進んでいきます。
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政治的な議題は取り扱いません。(政治的議論は、他により適切な方法で扱われるべきでしょう)
常に、性的行動に関する厳密な行動基準に従うようにします。ファシリテーターとして、性的な誘い、ハラスメント、差別と受け取られるような行動は差し控えます。クラスで、そのような行動をとる人がいた場合、それらは受け入れられないものであることを伝えます。そのことについて困難を感じる場合には、この問題に関してサポートをしてくれると確信できる人に相談します。
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参加者にとって、安全で、安心でき尊敬されていると感じられる雰囲気をつくるために、最大限の努力をします。

二ーバーの祈り

Reinhold Niebuhr(ラインホルド・ニーバー: 1892年6月21日 – 1971年6月1日)

英語(原文)
O God and Heavenly Father,Grant to us the serenity of mind to accept that which cannot be changed; courage to change that which can be changed, and wisdom to know the one from the other, through Jesus Christ our Lord, Amen.

日本語訳
神よ、天にまします父よ、私たちに変えられないものを受け入れる心の平穏を与えて下さい。変えることのできるものを変える勇気を与えて下さい。そして、変えることのできるものとできないものを見分ける賢さを与えて下さい。われらの主、イエス・キリスト。アーメン。

英語(原文):Serenity Prayer

God, give us grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
the one from the other.

Living one day at a time,
Enjoying one moment at a time,
Accepting hardship as a pathway to peace,
Taking, as Jesus did,
This sinful world as it is,
Not as I would have it,
Trusting that You will make all things right,
If I surrender to Your will,
So that I may be reasonably happy in this life,
And supremely happy with You forever in the next.

Amen.

日本語訳:ニーバーの祈り「平静の祈り」「静穏の祈り」

神よ、恩寵を私に与えて下さい
変えられないものを静穏に受け入れるために
与えて下さい
変えるべきものを変える勇気を
そして、変えられないものと変えるべきものを
区別する賢さを私に与えて下さい

一日を一度に生き、
一瞬を一度に楽しみ
平和へと向かう小道として困難を受け入れる
神がしたように、
この罪深い世界をそのままに受け入れる
私がそれを味わうようにではなく
あなたが全てを正しくされることを信じる
もしあなたの意志に身を委ねたならば、
この人生が適度に幸福なものとなり得るように、
そして、天国で永遠のあなたとともに至福を味わうために

アーメン

【引用先・参照文献・参考資料】

「元気回復行動プランWRAP」オフィス道具箱 発行
「WRAPを始める!(精神看護出版2016)」増川ねてる 藤田茂治 編著
「ファシリテーター研修マニュアル(WRAPプロジェクトZ 2012)」
「私の元気つくり。メアリー・エレン・コープランドとのワークショップ(DVD)」久野恵理 監修
「メアリー・エレン・コープランド講演会DVD」久野恵理 監修
「WRAPその魂にふれるDVD」WRAP研究会 監修・指導
「Living WRAP -WRAPを活かす-」メアリー・エレン・コープランド 著
「よくわかるアサーション」平木典子 著
https://wrap-jp.net/
https://www.wellnessrecoveryactionplan.com/
https://psycho-psycho.com/focusing/

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