2022年アメリカ中間選挙

権力

米下院、共和が217議席獲得 過半数まであと1議席

日本経済新聞 より引用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB154EQ0V11C22A1000000/
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00002700Y2A021C2000000/

【ワシントン=坂口幸裕】米中間選挙は14日までの開票の結果、連邦議会下院で野党・共和党が217議席を獲得した。AP通信が報じた。下院で4年ぶりとなる共和による過半数(218)奪還まであと1議席に迫った。勝敗が確定していないのは残り13議席で、開票作業は大詰めに入った。

中間選挙は4年に1度ある大統領選の2年後に実施される。任期2年の下院435議席すべてと、任期6年の上院100議席のうちおよそ3分の1にあたる35議席が改選対象だ。現在は上下両院で与党・民主党が多数派を握る。

AP通信によると、下院の当選確実は民主が205、共和が217。現在は民主が220議席、共和が212議席を持つ。民主は上院で多数派を維持した。共和が1議席でも積み増せば、上院と下院で多数派が異なる「ねじれ議会」になる。政策の実現には共和の協力が必要になり、バイデン政権は厳しい政権運営を迫られる。

バイデン大統領は14日の記者会見で「下院で何か異変が起きない限り(人工妊娠中絶の権利維持を)成文化するのに十分な票があるとは思わない」と述べ、下院で民主が多数派を保つのは難しいとの認識を示した。

中間選挙の開票が続くなか、共和のトランプ前大統領は15日に「重大な発表」をする予定だ。2024年の次期大統領選への出馬を正式表明すると受け止められている。

40年ぶりとなる歴史的な高インフレのさなかでバイデン氏の支持率は40%台前半に低迷し、民主にとっては逆風下での選挙戦になった。中絶の権利維持や民主主義の危機を訴えて投票を呼びかけて猛追した。

選挙分析に定評のある「クック・ポリティカル・リポート」のエイミー・ウォルター編集長は8日の投開票日の直前に「民主は下院で20議席以上を失うだろう」と分析していた。他の世論調査でも共和が差をつけて圧勝するとの見方が多かったが、事前予想に比べ議席は伸び悩んでいる。

AP通信によると、上院は非改選議席を含めると民主50議席、共和49議席。12月に決選投票を実施する南部ジョージア州で共和が勝利しても現在の上院の構成と同じ50対50になり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため民主の多数派維持が固まった。

今回の中間選挙は郵便投票を含む期日前投票が前回2018年中間選挙より2割ほど増えたため、これまでに比べて大勢判明までに時間がかかっていた。投開票日から1週間たっても決着していないのは異例で、接戦区が多かったことも想定より遅れる理由になった。