実践バイオインフォマティクス

生物学

実践 バイオインフォマティクス -ゲノム研究のためのコンピュータスキル- 単行本 – 2002/1/28

Cynthia Gibas (著), Per Jambeck (著), 水島 洋 (翻訳), 明石 浩史 (翻訳), ま たぬき (翻訳)

ヒトゲノム解析プロジェクトやバイオテクノロジーにおいてコンピュータの利用は不可欠になっている。本書は、生物学者や生物学を学ぶ学生、企業の研究者に、遺伝子解析やバイオ研究におけるコンピュータを使ったアプローチとして、ツールやデータベースの作り方、Unixファイルシステムや簡単なPerlプログラムの紹介、そしてインターネット上のツールの活用法やそのデータの視覚化といった広範囲の内容を解説する。
●生物学データ解析システムを構築するための唯一の実践確実なガイドブック!
●大学、企業などの、学生から熟練の専門家に至る生化学の分野で広く読者へアピール!
●もっともホットなトピックとして、日本の専門雑誌が特集や連載記事を掲載!

ポストゲノムシークエンス時代の研究者に必須のスキルを実践的なアプローチで解説。

本書で取り上げた主なシステムやソフトウェアツール、ウェブ情報

●データベース
PubMed、GenBank、TIGR、ExPASy、PDB、KEGG、…
●シークエンス解析
BLAST、FASTA、ALIGN、SEALS、SDSC生物学ワークベンチ、…
●アラインメント・モチーフ
ClustalW、Jalview、PHYLIP、PROSITE、COG、MEME、HMMer、…
●構造解析
STRIDE、TOPS、SCOD、CATH、CE/CL、naccess、GRASP/GRASS、PDF、…
●構造予測
CASP、Threading法、Modeller、McdBase、SWISS-MODEL、…
●プロテオーム
EnsEMBL、TIGR、MAGPIE、PipMaker、MUMmer、WIT、仮想細胞(VCell)、…
●構造視覚化
PDB、RasMol、SWISS-PDB Viewer、MolMol
、VMD、MolScript、LIGPLOT、dimplot、…
●データの視覚化
xzgv、Ghostview、GIMP、TeXshade、GraphViz、gnuplot、XGobi/XGvis、S-Plus、Matlab、…
●データベースシステム(DBMS)
RDBMS、SQL、PostgreSQL、MySQL、Oracle、…
●コンピュータシステム
Unixコマンド、Linuxのインストール、ファイルシステム、正規表現、…
●プログラミング言語
Perl、R、…

<本書の構造>

Ⅰ部 序章

1章「コンピュータ時代の生物学」ではバイオインフォマティクス1つの学問としてとらえ、その歴史に簡単に触れ、本書がカバーする事項の簡潔なガイドとその理由を示します。

2章「生物学的問題のコンピュータ的解法」では、バイオインフォマティクスと分子生物学の中心概念と、増大する生物学のデータをもたらした技術と研究のイニシアチブを紹介します。さらに、すべての生物学者が知っているべき、常に成長している基礎的な計算手法リストをカバーします。

Ⅱ部 ワークステーション -システム環境-

3章「ワークステーションのセットアップ」では、Unixを紹介し、PCにLinuxをインストールし、ソフトウェアを動かすための基礎を学びます。

4章「Unixのファイルとディレクトリ」では、Unixのファイル管理システムに関して、ファイル階層や命名スキームについて、よく使われるディレクトリに関するコマンドについて、マルチユーザ環境での動作について、などを解説します。

5章「Unixシステムで作業をする」では、ユーザが毎日遭遇するUnixコマンドを紹介します。ファイルの参照や編集、抽出などのためのコマンド、正規表現、シェルスクリプト、そして他のコンピュータとの通信などについて説明します。

Ⅲ部 作業ツール群

6章「生物学研究に役立つウェブ」は生物学の情報をウェブ上で見つけるテクニックについての章です。この章では検索エンジンと科学的な文献やソフトウェアの探索法、オンライン情報源の利用法、および公的な生物学データベースをカバーします。

7章「シーケンス解析、ペアワイズアラインメント、データベースサーチ」では、分子進化のレビューから始まり、次に遺伝子の位置を予測、全体的および局所的なアラインメント、さらにはFASTAやBLASTなどのプログラムを用いたデータベースに対する局所的なアラインメントに基づいた検索など、ペアワイズシーケンス解析の基礎を扱います。最後にシーケンス分析用の多機能ツールについても紹介します。

8章「多重シーケンスアラインメント、ツリー、プロフィール」では、関連する遺伝子あるいは蛋白質の研究の話題に移ります。それは、ClustalWやJalviewのような多重シーケンスアラインメントの使い方を示し、次に、系統発生的な解析のためのツールや、プロファイルやモチーフの構築について議論します。

9章「蛋白質構造の可視化と構造解析」では、蛋白質の3次元構造解析とそれらの構造の特性の計算ツールをカバーします。この章は蛋白質化学のレビューから始まり、ウェブによる構造分類、アラインメント、分析、溶液の親和性と相互作用、物理化学的特性の計算などの蛋白質構造関連ツールを紹介します。最後に構造の最適化と蛋白質データベースに関する紹介も行います。

10章「アミノ酸シーケンスからの蛋白質構造、機能の予測」では、アミノ酸シーケンスからの蛋白質の構造を決定するツールを示し、蛋白質シーケンスの特徴抽出、二次構造予測、三次構造予測について紹介します。そして、蛋白質モデリングのプロジェクト例で終わります。

11章「ゲノムやプロテオーム解析のためのツール」では、これまで紹介したものをすべてつなげて使います。前章までで、1つのシーケンスや構造、あるいは1遺伝子からなる多重シーケンスの比較のためのツールと技術を紹介してきました。本章は、ゲノム中のすべての遺伝子の機能を統合的に解析するために活用できるデータやツールをいくつか紹介します。例えば、全ゲノムを順番に並べて、ウェブでゲノム情報にアクセスし、ゲノム全体のアノテーションや分析を行う方法、新しい技術とプロテオミクスなどについて説明します。

Ⅳ部 データベースおよび可視化

12章「Perlを用いてデータ解析を自動化する」では、山のようなデータの中から必要な情報だけを抽出するために、Perlのようなプログラミング言語がどのように役に立つかを紹介していきます。ここではPerlのプログラミングは教えませんが、言語の簡単な導入とプログラム例によって、プログラムを学習し始めるための道を示しています。

13章「生物学データベースを構築する」はデータベース概念への入門です。ここでは、生物学の研究の中で使用されるデータベースのタイプ、それを作るためのデータベースツール、データベース言語(SQL言語)、データベースと連携するウェブベースのソフトウェア開発について説明していきます。

14章「可視化とデータマイニング」では、結果の意味付けを行う計算ツール、および技術についてカバーします。章の前半は、バイオインフォマティクス的な研究から発生するデータを視覚化するためのプログラムを紹介します。ここでは、Graceやgnuplotのような数値データのための一般的な作図パッケージおよび統計パッケージから、TeXshadeのような形式でシーケンスおよび構造情報を示すために使われるプログラムまで紹介します。章の後半では、バイオインフォマティクスのアプリケーションという意味で、大きなデータ群の中からパターンを発見、解釈、評価する過程でのデータマイニングのためのツールを紹介します。

出版社:オライリー・ジャパン (2002/1/28)
発売日:2002/1/28
言語:日本語
単行本:456ページ
ISBN-10:4873110688
ISBN-13:978-4873110684