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行動孊的手法を甚いた魚類の色芚に関する研究テキスト版

行動孊的手法を甚いた魚類の色芚に関する研究テキスト版 氎産孊

緒蚀

 魚類の色芚を考慮しお、持具の色を蚭定するこずは、持業の皮類によっおは、持獲効率を高める䞊で極めお重芁ず考えられる。魚類の色芚を知るための研究手法は、行動孊的手法ず電気生理孊的手法に倧別される。
 行動孊的手法の先駆けずしお、 Frishch ( 1925 )はGobio fluviatilis (コむ科)を甚いた孊習実隓により、魚類における二元説を蚌明した。圌は黒・灰・癜・赀の皿のうち、必ず赀皿で逌をやるこずを繰り返すこずで、実隓魚に逌を入れなくおも赀皿に接近する行動を条件づけるこずに成功した。続いお癜から黒にいたる玄20皮䜍の灰色の皋床をいろいろ倉えおも必ず赀によっおくるこずを芋い出だした。もし魚が色盲ならある皋床の灰色にも反応するはずであるが、必ず赀皿に反応するこずより魚は赀色を認めるず結論された。同様の実隓から、赀以倖の色でも色芚を有するずいう結果を埗おいる。たた圌は魚が匱光䞋では色の匁別ができなくなるこずを指摘しおいる。この時の網膜を固定しお顕鏡するず、錐䜓はのびお桿䜓が倖限界膜に接近し、色を匁別しうる皋床の明るさでは錐䜓が倖限界膜に接近しおいるこずから、錐䜓が色圩感芚に甚いられるこず(二元説)を蚌明した。田村( 1977 )によるず、錐䜓ず桿䜓ずは機胜が異なり、前者は明噚 ( photocyte )ずもいわれ、明るい時に働き、倚くの堎合色圩の匁別の胜力があり、錐䜓を甚いおいるずきの芖芚(錐䜓芖明るいずころでの芖芚)は芖粟床がすぐれおいる。これに反しお桿䜓は暗噚 ( scotocyte )ずもいわれ、うす暗い時に働き、色圩の匁別はできなく、 桿䜓芖芚(うす暗い所での芖芚)は芖粟床が劣る。このように環境の明るさにより感光现胞の分業が行われおいるずする説を二元説 ( duplicity theory )ずいう。これは広く脊怎動物䞀般にあおはたる説であるずされる。Hamburger ( 1926 )は魚類の色芚に補色関係があるこずを蚌明した。ヒトの目には補色ずいうものがある。すなわち赀色光ず緑色光、青色光ず黄色光ずいったものを適圓に混ぜ合わせるず 癜色に芋える。コむ科の魚でもこれらの光の組み合わせは癜色ず区別できなくなり、魚の色芚に補色関係があるこずを孊習法で蚌明した。川本信之( 1959 )は䞻ずしお海産皚魚むシダむ、カワハギ、サワラ、 ボラ、メゞナ、りナギ、メダカ等を甚いお集魚灯の基瀎的研究を行った。盎埄1mの朚補氎槜の呚囲を8区画ずし、その䞊郚に癜色䞊びに7色のフィルタヌを甚いた等照床の光を点じ、暗宀においおその䞭倮に皚魚を入れ、魚がいかなる色光の宀に最も倚く入るかを枬定しお、走光性の倧小を決定した。倧倚数の魚類は青ず緑ずに最倧に集たり、赀ず玫ずに最小であり、フィルタヌを甚いおいない60Wマツダの電球に察しおは、集魚率はフィルタヌを通した色光よりも抂しお小であるこずを芋た。さらにりナギのような倜行性の魚が赀ず玫に最も倚く集たり、青ず緑ずに最小であるこずを指摘しおいる。McClearyら( 1959 )は孊習法に曎に客芳性をもたせるために次のような研究を行った。生きたキンギョを固定しお心電図をずりながら孊習する。すなわちAを芋せお電撃を䞎え、Bを芋せた時は䜕もしない。これをくりかえすずAを芋せただけで心電図に明らかな倉化が認められるようになった。この方法でキンギョは赀ず緑を明暗の差ずしおでなく、 色調の差ずしお匁別するこずが蚌明された。小山(1978)はアナの色光遞奜性に぀いお実隓し、発育段階による差があるものの、黄色光>黄緑色光>青色光>赀色光の順に奜むずしおいる。䌊奈ら( 1979 )はスルメむカ内蔵、コマセアミ色玠および各皮合成色玠を適圓な担䜓ず混合し、固䜓にしお氎槜内に眮き、これをマダむが぀いばむ行動を 芳察するこずにより、マダむの色に察する反応性を調べた。マダむは黄色系、橙色系、赀色系およびこれら色玠系を含む混合色玠系に察し反応性を瀺し、蛍光にも反応したこずから、マダむの採逌掻動は吞収の最倧倀が430 – 500 nmの色圩物質によっお誘導されるず報告した。柿元( 1985 )は網持具に䜿甚する網地の色圩は刺網の矅網率に圱響があるずしおいる。Neumeyer ( 1992 )はキンギョを甚いた加法混色 実隓を行い、キンギョの色芚が玫倖線感光錐䜓を含む4色型であるずしおいる。柿元ら( 1995 )は氎槜の壁面の色圩を明床、圩床、色盞の心理的3属性の芁玠別に倉化させお魚類に遞択させる方法により、魚類の色圩の遞択性を調べた。この方法でマダむは䜎い明床を奜み、緑ならば鮮やかな緑を奜み、色盞では青色( 450 nm付近)ず黄色及び赀色( 600 – 700 nm付近)に高い遞択率が芋られたずしおいる。たた、 色圩環境が生育に及がす圱響をマダむを黄色、灰色、コンクリヌト地の氎槜で飌育し、調べた結果、遞択性が高かった黄色環境䞋においお生育が助長されおいる傟向が芋られたずしおいる。
 電気生理孊的手法はERGによる方法ずS-電䜍による方法に倧別される。Kobayashi ( 1962 )は海氎魚を含む20皮の魚類に぀いお波長の異なる光源を甚いおERGを蚘録し、たたこれを指暙ずしお魚類の生態ずの関連を求めた。すなわち、魚類の生息氎深が増加するに぀れお、分光感床の最倧倀が短波長の方に移行する傟向が認められ、これは氎深による倪陜光のスペクトル分垃ず盞関があるず述べおいる。たた、マダむのスペクトル感床曲線は470 nmで最倧倀をずり、550 nmず600 nmで副次的な最倧倀をずるこずから、青に敏感な芁玠が著しく高いずしおいる。たた玄3 lxの匱光に順応した県から525 nmに ピヌクをも぀感床曲線が埗られ、650 nmより長波長の光に網膜は ほずんど感じないずしおいる。Granitら( 1939 )は網膜䞭の氎平现胞の発生する電䜍( S-電䜍)を蚘録した。Tamuraら( 1967 )はS-電䜍を甚いお魚類の色圩感芚を調べた。田村( 1977 )はC型S電䜍が倚い魚皮では色圩感芚がすぐれおいるず考え、このような魚皮にボラ・コむ・フナ・りグむ・ダリタナゎ・オむカワ・ヒガむ・ブルヌギル・ スズキ・ブリ・アカ゚む・カワマス・アマゎ・ビワマス・ニゞマス・ ブラりンマス・マハれ・テラピア・ブラックバス等をあげおいる。クロダむ・チダむ・カツオ・ダむト・ヒラ゜オダ・ネコザメではC型S-電䜍をが発芋されおおらず、これらは色盲に近いず思われるずしおいる。Kawamuraら( 1981 )はS-電䜍を甚いおマグロずカゞキ類が色盲であるこずを報告し、これらの魚類は色の違いが明るさ(明床)の違いずしお知芚されうるず指摘した。同様にKawamura ( 1981 )は マダむ、チダむ、クロダむの䞉皮のタむ科の魚の網膜からC型S電䜍を蚘録し、これらの魚が色芚を有するず報告した。S電䜍は 553 – 640 nmの間で明確な反応が埗られたこずからC型ずされた。川村ら( 1991 )はマダむのL型S-電䜍は522 nm付近にピヌクがあり、波長633 nmの光に察する網膜感床はかなり䜎かったずしおいる。
 他の電気生理孊的研究ずしおMacNichol ( 1964 )はキンギョの䞀぀の神経節现胞に電極をおき、スパむクを蚘録しおいる堎合に、560 nmの波長の光で刺激するず興奮し(スパむク頻床が増す)、570 nmで抑制がおこる(スパむクが出なくなる)ずいうように、神経節现胞の反応がわずかな波長の差によりいちじるしく倉化するこずを発芋した。Tomitaら( 1967 )はコむの錐䜓の受容噚電䜍のスペクトル感床を調べ、3皮の感床曲線を埗た。最倧感床を瀺す波長は玄462 nm、 529nm、611nmずされた。
 たたMarks ( 1965 )は顕埮分光枬定法により抜出や合成などの化孊的操䜜を行わずに網膜䞭の錐䜓倖節に぀いお感光色玠の吞収スペクトルλを枬定するこずに成功した。キンギョの錐䜓においお、 λ= 455±15 nm (青)、λ= 530±5 nm (緑)、λ= 625±5 nm (èµ€)の異なった色玠を有する3皮の錐䜓の存圚を蚌明した。Bowmaker ( 1991 )はキンギョにλ= 355 – 360 nmの玫倖線感光錐䜓を含めお、単錐䜓の個数がどのくらいあるかを明らかにした。これらの魚類は赀、緑、青および玫倖光受容现胞を含む4色錐䜓系により色の受容が行われるため、その色芚は4色型ずいわれる。
 本研究では物䜓色に察する魚矀の行動を知るための基瀎的実隓ずしお、色の3属性の䞭から色盞に着目し、行動孊的手法を甚いお、 キンギョCarassius auratusずマダむPagrus majorの色盞匁別実隓を行った。キンギョは色芚を有するこずは生理孊的・行動孊的に明らかにされおいるが、色盞の知芚に関する研究は芋かけられない。そこで物䜓色の赀・緑・青に察する色圩匁別実隓を行った。マダむは電気生理孊的には色芚が存圚するずされおいるが、それを行動孊的に瀺した研究は少ない。そこで赀・緑を灰色ず匁別できるかを調べるこずで色芚の有無を調べた。たず、第1章でキンギョの報酬ず眰による赀・緑・青の色盞孊習実隓に぀いお、第2章でキンギョの色盞匁別実隓に぀いお、第3章でマダむの報酬による赀・緑の色盞孊習実隓に぀いお、総合考察においお研究から埗られた魚類の色芚に関する知芋をたずめ、魚類の色芚研究の課題に぀いお述べる。

第1章 キンギョの色圩孊習実隓

第1節 材料ず方法

 実隓魚ずしおキンギョCarassius auratus 6尟を甚いた。実隓は東京氎産倧孊、魚矀行動孊研究宀の実隓宀においお、平成7幎4月25日から平成7幎8月18日たで行った。 色の刺激ずしおカラヌカヌド(日本色研事業株匏䌚瀟補,新配色カヌド175b , v2 ・ v12 ・ v18 )を6cm四方に切り、氎䞭に掲瀺できるように透明プラスチックによりコヌティング(明光商䌚瀟補, L-100 mini MSパりチず、同瀟補100ミクロンMSパりチフィルムMP 10-90126䜿甚)したカヌド3枚を甚いた。甚いたカラヌカヌドの日本色研事業株匏䌚瀟による色の皮類( No. ,色名)をTable.1に瀺す。 分光攟射蚈(東京光孊機械株匏䌚瀟補,分光攟射蚈 SR-1 )を甚いおパりチ埌のカヌドの攟射茝床を枬定した。  実隓装眮図をFig.1に瀺す。 実隓氎槜は130×60×40 cmの透明 アクリル氎槜を甚いた。氎深は35 cm䞀定ずし、濟過装眮や゚ア レヌションにより氎質・溶存酞玠量を安定させた。サヌモスタッド・ヒヌタヌ・クヌラヌを䜿甚し、飌育時の氎枩を26℃䞀定ずした。 これらの装眮は濟過装眮を陀いお実隓䞭は氎槜内から陀倖した。 氎槜倖を黒の塩ビシヌトで芆い、魚に他の色芚的芁玠を認識させないようにした。
 氎槜内はアクリル板により、飌育区画・匁別区画・刀定区画の倧きく分けお3぀の区画に仕切った。飌育区画は癜のアクリル板でさらに6぀の区画に分け、そこで魚を1尟ず぀飌育した。区画䞊面にプラスチック補無結節網地を匵るこずにより、実隓魚が氎槜の倖に飛び跳ねないように配慮した。匁別区画ず刀定区画の間はアクリル板で仕切り、ゲヌト(開口郚10×10cm)を蚭け、遠隔操䜜により開閉できるようにした。氎槜内郚は黒色に統䞀した。䞭倮の仕切りにより2぀の区画を蚭け、魚が匁別区画からゲヌトを通過する際に、巊右の区画のどちらかにしか䟵入できないようにした。䟵入しようずする魚が2枚のカラヌカヌドを同時に芖認できる䜍眮にカヌドを掲瀺板を蚭眮した。カヌドを色刺激ずしお孊習しやすいようにカヌド掲瀺堎所の真䞋に絊逌口を䜜補した。
 逌には沈降性のドラむペレット(キョヌリンフヌド工業株匏䌚瀟補,ランチュりベビヌゎルド,小粒)を甚いた。絊逌方法ずしお、 あらかじめ逌を絊逌装眮の䞭に入れおおき、実隓時に遠隔操䜜によっお絊逌口に぀ながる挏斗の䞭に逌を萜ずした。絊逌は実隓時にのみ行った。
 実隓氎槜は暗幕内に眮き、20 wの蛍光灯(岩厎電気株匏䌚瀟補,アむラむン,癜色, FL20SW ) 2本を照明噚具(岩厎電気株匏䌚瀟補, FEC2202 )内に収容したものを照明ずしお甚いた。氎槜党䜓を照らすために照明噚具を氎面䞭倮から高さ60 cmの䜍眮に蚭眮した。 カヌド掲瀺䜍眮の氎䞭照床は159 lxであった。照明点灯埌、実隓魚の網膜を明順応状態ずするために1時間以䞊順応させた埌に実隓を開始した。
 実隓開始前に飌育区画ず匁別区画の間のゲヌトを開攟し、匁別区画内に実隓魚が䟵入したのを確認した埌にゲヌトを閉じ、芳察者は実隓結果に圱響しないように暗幕の倖に退去した。暗幕内の氎槜䞊方に8mmビデオカメラを蚭眮し、実隓芳察は暗幕倖のモニタヌで行った。 実隓時には匁別区画ず刀定区画の間のゲヌトを開攟し、実隓魚が巊右2぀に別れた刀定区画のうち、正解のカヌド(正解色)が掲瀺しおある方を遞んだら正解ずし、䞍正解のカヌド(䞍正解色)が掲瀺しおある方を遞んだら䞍正解ずした。カヌドの掲瀺方向は巊右ランダムずした。
 孊習のために報酬ず眰を甚いた。実隓魚が匁別区画ず刀定区画の間のゲヌトを通過したら、ゲヌトを閉じる。正解した堎合は報酬ずしお逌を䞎え、実隓魚が逌を食べ終わったらゲヌトを開攟した。䞍正解の堎合はただちにゲヌトを開攟し、眰ずしお手網で、実隓魚を匁別区画に远い出した。䞍正解の堎合は正解するたで繰り返した。
 孊習には赀(波長610nm ) ・緑(波長535nm ) ・青(波長460nm )の3色を䜿甚した。これら3色のうち1色を正解色、それ以倖の2色の うち1色を䞍正解色ずする色の組み合わせは、党郚で6通りある。これらの色の組み合わせ1通りに぀き1尟ず぀孊習を斜した。 Table.2に実隓魚の孊習内容を瀺した。  孊習圢成の状況を把握するために実隓開始時から実隓魚が絊逌口を぀぀くたでの経過時間を枬定した。実隓魚の孊習の刀定基準ずしお、正解率を甚いた。ここで正解率は実斜回数に察する正解の割合ず 定矩した。実斜回数5回を1実隓ずし、実隓回数ごずに総経過時間・正解率の掚移を瀺した。

第2節 結果

 コヌティング埌のカヌドの攟射茝床を枬定した結果ずカヌドの䞻波長をTable.1に瀺した。
 党実隓魚の実隓回数ごずの総経過時間の掚移をFig.2に瀺す。 経過時間の枛少は芋られなかった。実隓魚No . 5は実隓13回目から倚くの時間を芁しおいる。実隓21回以降に実隓魚No. 1 ・ No. 3 ・ No. 5に経過時間の増加が芋られた。
 実隓回数ごずに正解率の掚移をFig.3に瀺す。 実隓魚No. 1は初めは赀を避ける傟向にあったが実隓19回目・ 22回目に正解率80 %をずっおいる。実隓魚No. 2は正解率60 – 100 %をずっおいる。実隓魚No. 3は正解率に激しい倉動が芋られたが実隓回数にしお5回、 正解率100 %をずっおいる。実隓魚No. 4は実隓回数にしお3回、 正解率100 %をずっおいる。実隓魚No. 5は実隓13回目以降たで 高い正解率をずっおいた。実隓13回目以降は実隓19回目・ 21回目・ 25回目に正解率80 %をずっおいる。実隓魚No. 6は実隓回数にしお4回正解率100 %をずっおいる。
 なお、実隓は段階的に難易床を䞊げながら行った。4月25日に実隓魚を氎槜内に収容しおから1週間は色刺激のない状態で党区画を開攟し、絊逌口から逌を䞎えるこずで氎槜内の地圢ず絊逌口を芚えさせた。その埌飌育区画に1尟ず぀収容し、正解色・䞍正解色を掲瀺し、匁別区画を開攟し、正解の方向の絊逌口に逌を萜ずした状態で 1尟ず぀飌育区画を開攟し、絊逌させた。実隓魚が絊逌口に逌がない状態で、ゲヌトの開閉や絊逌装眮の動䜜に驚かずに刀定区画に進入し、絊逌口を぀぀いおから絊逌できるようになったのは6月12日で、 実隓結果ずしお瀺したのはそれ以降の結果である。6月12日以降の倉曎点は、実隓21回目以降に実隓魚が刀定区画内に進入したら ゲヌトを閉じたこずである。さらに実隓13回目からは実隓魚No. 5が実隓12回目修了埌に死亡しおしたったため、別のキンギョを実隓魚ずしお甚いた結果ずなっおいる。

考察

 結果からは経過時間に枛少傟向が芋られないが、実隓開始以前には絊逌口に逌をおいた状態での摂逌に1時間以䞊を芁したこずや装眮の動䜜に驚いお刀定区画に進入しようずしなかったこずを考えるず経過時間はかなり少なくなっおいるず考えられる。孊習実隓21回以降、実隓魚No. 1 ・ No. 3 ・ No. 5に芋られた経過時間の増加は、刀定区画進入埌にゲヌトが閉じるこずに驚いた結果ず考えられ、特に実隓魚No. 5は時間がかかったこずから実隓環境になれおいない魚はより憶病になるず思われる。これらの結果からキンギョは実隓環境に慣れるこずに最も時間を芁し、実隓の経過時間に圱響するのは音や振動などの刺激が䞻な原因ず考えられる。
 正解率は高い倀をずるこずがあったが、安定するこずはなく、党䜓的に䞊昇するずいうよりは50 %に集束する傟向があったず考えられる。結果からは孊習が圢成されおいないず考えられる。
 井䞊( 1978 )はキンギョの堎合、10回皋床の詊行で色による条件付けが可胜ず述べおいる。本実隓で色の条件付けができなかった芁因ずしお以䞋の点が考えられる。①実隓の難易床が高い。②色刺激が音や振動ず比べお匱い刺激であり、正刺激ずしお成立しにくい。③䞍正解でもすぐに逌が埗られおしたうから、䞍正解が正刺激ずなっおしたった。④色の倉化を感じないため、色の孊習だずいうこずがわからない。これらのなかで④に぀いおは匁別実隓を行うこずにより確認できるこずから、匁別実隓を行うこずにした。

第2章 キンギョを甚いた色盞匁別実隓

第1節 材料ず方法

 匁別実隓は孊習実隓修了埌、平成7幎8月22日から平成7幎8月 26日たで継続しお行った。実隓装眮・環境は倉えず、孊習実隓で色の孊習を斜したキンギョ6尟をそのたた実隓魚ずしお甚いた。 匁別実隓では色の刺激ずしおカラヌカヌド(日本色研事業株匏䌚瀟補,新配色カヌド175b, v2・ v3・ v4・ v5・ v6・ v7・ v8・ v9・ v10・ v11・ v12・ v13・ v14・ v15・ v16・ v17・ v18 )を6 cm四方に切り、氎䞭に掲瀺できるように透明 プラスチックでコヌティング(明光商䌚瀟補, L-100 mini MSパりチず、同瀟補100ミクロンMSパりチフィルムMP 10-90126䜿甚)したカヌド17枚を甚いた。甚いたカラヌカヌドの日本色研事業株匏䌚瀟による色の皮類( No. ,色名)をTable.3に瀺す。 コヌティング埌のカヌドの攟射茝床を分光攟射蚈(東京光孊機械 株匏䌚瀟補,分光攟射蚈 SR-1 )を甚いお枬定した。この結果をもずに、正解色には孊習実隓で甚いた色を䜿甚し、䞍正解の色ずしお正解色から䞍正解色たでの波長域に䞻波長が存圚するカヌドを甚いた。これらの色を比范色ず呌ぶこずにする。
 実隓魚が孊習した正解色を消去しないように、報酬のみを䞎えた。実隓魚が匁別区画ず刀定区画の間のゲヌトを通過したら、ただちに 絊逌口に぀ながる挏斗の䞭に逌を萜ずした。実隓魚は正解した堎合にはすぐに逌を䞎えられ、䞍正解の堎合には刀定区画の反察偎に進入しお摂逌するずいう困難を課せられた。実隓魚が最初に進入した区画により、正解・䞍正解の刀定を行った。
 孊習実隓ず同様に赀( v2 ) ・緑( v12 ) ・青( v18 )の3色のうち1色を正解色、それ以倖の2色のうち1色を䞍正解色ずする色の組み合わせは、党郚で6通りある。これらの色の組み合わせ1通りに぀き 1尟ず぀異なる実隓を行った。
 実隓魚ず孊習に甚いた色の組み合わせずしお、 実隓魚No. 1には正解色ずしお赀( v2 )を甚い、比范色ずしお䞍正解色の緑( v12 )から黄色がかった赀( v3 )たでの10色を甚い、匁別させた。実隓魚No. 2には正解色ずしお赀( v2 )を甚い、比范色ずしお䞍正解色の青( v18 )から黄色がかった赀( v3 )たでの16色を甚い、匁別させた。実隓魚 No. 3には正解色ずしお緑( v12 )を甚い、比范色ずしお䞍正解色の青( v18 )から青みをおびた緑( v13 )たでの6色を甚い、匁別させた。 実隓魚No. 4には正解色ずしお緑( v12 )を甚い、比范色ずしお䞍正解色の赀( v2 )から黄色がかった緑( v11 )たでの10色を甚い、匁別させた。実隓魚No. 5には正解色ずしお青( v18 )を甚い、比范色ずしお 䞍正解色の赀( v2 )から青( v17 )たでの16色を甚い、匁別させた。 実隓魚No. 6には正解色ずしお青( v18 )を甚い、比范色ずしお䞍正解色の緑( v12 )から青( v17 )たでの6色を甚い、匁別させた。Fig.4に実隓魚の実隓内容を瀺した。以䞊の実隓を1日1回ず぀5日間実斜した。
 匁別胜力の刀定には正解率を甚いた。正解率は実隓回数に察する正解の割合ず定矩した。なお実隓結果では正解色ず匁別させた色の波長ごずに正解率を瀺すため、比范色のうち䞻波長が等しいものに぀いおはそれらの正解率の平均倀を瀺した。

第2節 結果

 分光攟射蚈を甚いおカヌドの攟射茝床を枬定した結果(Table.1参照)から䞻波長ず考えられる波長をTable.3に瀺した。
 キンギョの赀に察する匁別実隓結果をFig.5に瀺した。キンギョの緑に察する匁別実隓結果をFig.6に瀺した。キンギョの青に察する匁別実隓結果をFig.7に瀺した。これらの図は暪軞に波長を瀺し、瞊軞に正解率を瀺した。実隓魚No. 1では波長560 – 590 nm、590 – 600 nmで正解率の䜎䞋が認められた。実隓魚No. 2では波長495 – 560 nm、560 – 580 nm、580 – 600 nmで正解率の䜎䞋が認められた。実隓魚No. 3では波長465 – 495 nm、495 – 515 nmで正解率の䜎䞋が認められた。 実隓魚No. 4では波長560 – 575nm、575 – 610 nmで正解率の䜎䞋が認められた。実隓魚No. 5では波長465 – 495 nm、495 – 515 nm、515 – 610 nmで正解率の䜎䞋が認められた。実隓魚No. 6では波長 465 – 515 nmで正解率の䜎䞋が認められた。

第3節 考察

 実隓魚No. 1の結果においお、波長590 nmでは正解率100 %をずるこずから、波長535 – 590 nmの波長域の色は赀ず匁別可胜ず考えられた。赀に察する匁別閟倀は波長590 – 600 nmの波長域に存圚し、波長差にしお20 nm以䞊あれば赀( 610 nm )ず匁別可胜ず刀断された。波長560 – 590 nmの波長域での正解率の䜎䞋は、実隓魚がこれらの色を正刺激ずしお同䞀化,すなわち汎化しおしたい、赀ずは異なる色刺激ずしお差別化、すなわち分化するにはいたらなかった結果ず考えられる。本実隓では、赀・緑・青に察するキンギョの匁別胜力を調べるために、正解率をずった。色圩匁別胜力を芖力ず同様に考えるず、正解色ず比范する色の波長差が短い堎合のみ、正解率が䜎䞋するこずが予想される。しかし、色圩匁別実隓では、この波長差が長い堎合でも、正解率の䜎䞋が予想される。なぜなら正解率の䜎䞋には2぀の原因がある。1぀は、正解率の䜎䞋が芋られた波長域に匁別閟倀が存圚し、魚が本圓に匁別䞍可胜なこずによる正解率の䜎䞋である。もう1぀は、魚が孊習実隓では芋たこずがない色に察しお、正刺激に察する行動ず同様の行動をずる、いわゆる汎化による正解率の䜎䞋である。汎化しおいる色ず正解ずは区別が぀かないずいうわけではなく、汎化しおいる色を䞍正解ずする孊習実隓を行った堎合は正解率が向䞊するず考えられる。汎化がなくなるこずを分化ずいう。
 䟋えば、むヌなどで䞀定振動数の音に察しお条件反射が成立したずき、普通条件刺激を䞭心ずするある䞀定の振動数域の音が、条件反射を起こさせる(汎化)。この範囲の音域内ではむヌには音の匁別ができないず考えるず倧倉な誀りである。この音域内のある振動数の音ず、正しい条件反射音を亀互にきかせ、埌者の堎合には条件反射がおこった盎埌に匷化を行い、前者の堎合にはそれをしないこずをくり返したずき、その結果ずしお前者にだけ消去がおこれば、その音ず条件反射音ずはむヌに匁別されおいるこずになる(分化)。このようなテストを汎化音域内の振動数に察しお順次行うこずにより、真に匁別し埗ない範囲を決めるこずができる(桑原, 1983 )。
 これらのこずをふたえ、本実隓では、正解率が70 %以䞊をずる波長の䞭で、正解色ずの波長差が最短の波長から、正解色の波長たでを匁別閟倀が存圚する波長域ず定矩した。Fig.8に匁別閟倀の抂念図を瀺す。
 実隓魚No. 2の結果においお、波長560 nmでは正解率 80%をずるこずから、波長460 – 560 nmの波長域の色は赀ず匁別可胜ず考えられ、赀に察する匁別閟倀は波長560 – 600 nmの波長域に存圚し、波長差にしお50 nm以䞊あれば赀( 610 nm )ず匁別可胜ず刀断された。波長 495 – 560 nmの波長域での正解率の䜎䞋は、実隓魚がこれらの色を正刺激ずしお汎化した結果ず考えられる。
 実隓魚No. 1ず実隓魚No. 2にずっお本来、同様の実隓ずなる波長 535 – 600 nmの波長域の正解率を比べるず、No. 2の方が盞察的に正解率が䜎い傟向にある。正解色から䞍正解色たでの波長差は実隓魚 No. 2の方が75 nmも長く、実隓魚No. 1は正解色ず分化すべき波長が実隓魚No. 2よりも短い。波長535 nmにおいお実隓魚No. 1の正解率が100 %であるのに察し、実隓魚No. 2の正解率が40 %ず䜎いこずからも、孊習した2色の波長差が短い実隓魚No. 1の方が赀ず近い波長域の色を赀ず分化するこずができた結果ず考えられる。よっお、実隓魚No. 1の実隓結果がキンギョの赀に察する匁別胜力ずしおより特城的であるず刀断した。以䞊のこずからキンギョは赀に察する匁別閟倀は波長590 – 600 nmの波長域に存圚し、波長差にしお20 nm以䞊あれば赀( 610 nm )ず匁別可胜ず考えられる。
実隓魚No. 3の結果においお、波長495 nmでは正解率100 %をずるこずから、波長460 – 515 nmの波長域の色は緑ず匁別可胜ず考えられた。緑ず緑より短波長偎の波長域の色ずの匁別閟倀は波長 495 – 515 nm存圚し、波長差にしお40 nm以䞊あれば、緑(波長535 nm )ず緑より短波長偎の波長域の色は匁別可胜ず刀断された。
 実隓魚No. 4の結果においお、波長575 nmでは正解率70 %をずるこずから、波長575 – 610 nmの波長域の色は緑ず匁別可胜ず考えられた。緑ず緑より長波長偎の波長域の色ずの匁別閟倀は波長560 – 575 nm存圚し、波長差にしお40 nm以䞊あれば、緑(波長535 nm )ず緑より長波長偎の波長域の色は匁別可胜ず刀断された。波長575 – 600 nmの波長域での正解率の䜎䞋は、実隓魚がこれらの色を正刺激ずしお汎化した結果ず考えられる。
実隓魚No. 3ず実隓魚No. 4に行った実隓の実隓条件の違いは䞍正解色ずしお甚いた色が正解色の単波長偎か、長波長偎かずいうこずである。匁別閟倀の波長差はずもに40 nmであるが、正解率を比范するず、実隓魚No. 4の方が実隓魚No. 3より、盞察的に䜎い傟向にある。
 実隓魚No. 5の結果においお、波長515 nmでは正解率 80%をずるこずから、波長515 – 610 nmの波長域の色は青ず匁別可胜ず考えられた。青に察する匁別閟倀は波長465 – 515 nmの波長域に存圚し、波長差にしお55 nm以䞊あれば青( 460 nm )ず匁別可胜ず刀断された。
波長515 – 575 nmの波長域での正解率の䜎䞋は、実隓魚がこれらの色を正刺激ずしお汎化した結果ず考えられる。
 実隓魚No. 6の結果においお、波長515 nmでは正解率80 %をずるこずから、波長460 – 560 nmの波長域の色は青ず匁別可胜ず考えられた。青に察する匁別閟倀は波長465 – 515 nmの波長域に存圚し、波長差にしお55 nm以䞊あれば青( 460 nm )ず匁別可胜ず刀断された。
 実隓魚No. 5ず実隓魚No. 6にずっお本来、同様の実隓ずなる波長 465 – 535 nmの波長域の正解率を比べるず、No. 5の正解率は、倉動が激しくなっおいる。正解色から䞍正解色たでの波長差は実隓魚 No. 5の方が75 nmも長く、実隓魚No. 6は正解色ず分化すべき波長が実隓魚No. 5よりも短い。波長535 nmにおいお実隓魚No. 6の正解率が80 %であるのに察し、実隓魚No. 5の正解率が40 %ず䜎いこずからも、孊習した2色の波長差が短い実隓魚No. 6の方が青ず近い波長域の色を青ず分化するこずができた結果ず考えられる。よっお、実隓魚No. 6の実隓結果がキンギョの青に察する匁別胜力ずしおより特城的であるず刀断した。以䞊のこずからキンギョは青に察する匁別閟倀は波長465 – 515 nmの波長域に存圚し、波長差にしお55 nm以䞊あれば青( 460 nm )ず匁別可胜ず考えられる。
 今回、正解色ずかけ離れた波長域での正解率の䜎䞋を汎化によるものず考察したが、これを確認する意味での远加実隓を行う必芁性が認められた。

第3章 マダむを甚いた色盞孊習実隓

第1節 材料ず方法

 実隓魚ずしおマダむPagrus majorを5尟甚いた。実隓は東京氎産倧孊、魚矀行動孊研究宀の実隓宀においお、平成7幎10月30日から平成7幎12月11日たで行った。色刺激ずしお灰色・赀・緑の3枚のカラヌカヌド(日本色研事業株匏䌚瀟補,新配色カヌド175b , v2 ・ v12 ・ Gy-5.5 )を6 cm四方に切り、氎䞭に掲瀺できるように透明プラスチックでコヌティング(明光商䌚瀟補, L-100 mini MSパりチず、同瀟補100ミクロンMSパりチフィルムMP 10-90126䜿甚)したカヌド3枚を甚いた。甚いたカラヌカヌドの日本色研事業株匏䌚瀟による色の皮類( No. ,色名)をTable.4に瀺す。 コヌティング埌のカヌドの攟射茝床を分光攟射蚈(東京光孊機械株匏䌚瀟補,分光攟射蚈 SR-1 )を甚いお枬定した。
 マダむ5尟のうち、1尟はコントロヌル状態を調べるために甚い、3尟は色圩匁別胜力を知るために甚いた。ここで孊習を行わない個䜓をコントロヌル魚ずし、他の3尟を孊習魚ず呌ぶこずにする。Fig.9に実隓装眮図を瀺す。 実隓には透明アクリル氎槜( 130×60×40 cm )を甚いた。海氎には人工海氎(日本家庭甚塩株匏䌚瀟補,マリン゚ッセンスN-K-1 )を氎道氎で溶かしたものを甚い、塩分濃床は3.3 – 3.5 ( % )ずした。氎深は35 cm䞀定ずし、72 l容量のろ過局をも぀濟過装眮を甚いお濟過し、゚アレヌションするこずにより氎質・溶存酞玠量を安定させた。サヌモスタッド・ヒヌタヌを䜿甚し、飌育時の氎枩を25℃䞀定ずした。これらの装眮は飌育時・実隓時ずもに氎槜内に蚭眮したが、極力実隓魚に芖認されるこずのないよう配慮した。氎槜内に黒の塩ビシヌトを貌り付け、実隓魚に色刺激以倖の色芚的芁玠を認識させないようにした。氎槜内をアクリル板で仕切るこずにより、飌育区画・誘導区画・匁別区画・刀定区画の4぀の区画を䜜補した。それぞれの区画の間にはゲヌト(開口郚の高さ19cm)を䜜補し、遠隔操䜜により開閉できるようにした。飌育区画は仕切により、さらに3぀にわけられ、孊習魚を1尟ず぀収容できるようにした。誘導区画は実隓魚に無駄な行動をさせないための区画で実隓はこの区画に実隓魚を収容した状態から始めた。刀定区画は実隓魚が色を匁別したかを刀定するための区画で、䞭倮の仕切により、巊右にわけられ、実隓魚が匁別区画からゲヌトを通過する際に、区画の巊右どちらかにしか䟵入できないようにした。区画の巊右に1枚ず぀カヌドを掲瀺する掲瀺堎所を䜜補した。掲瀺堎は誘導区画から匁別区画に䟵入しようずする魚が巊右2枚のカラヌカヌドを同時に芖認できる䜍眮に蚭眮した。カヌドを色刺激ずしお孊習しやすいようにカヌド掲瀺堎所の真䞋に絊逌口を䜜成した。匁別区画は现長い氎路状になっおおり、実隓魚がここを通過する際、刀定区画の巊右どちらぞ入るかを遞択する堎ずなっおいる。
 逌ずしお沈降性のドラむペレット(坂本逌料株匏䌚瀟補,マダむ皚魚クランブルC4 )を1尟に぀いお1日60粒䞎えた。逌は実隓開始前にカヌドを掲瀺するアクリル板䞊方の絊逌装眮の䞭に3粒ず぀入れおおく。絊逌の際は暗幕の倖から遠隔操䜜によっお絊逌装眮を動かし逌を萜ずす。逌の萜ちる䜍眮に挏斗があり、逌は挏斗ず塩ビパむプで぀ながっおいる絊逌口から出おくるようになっおいる。
 実隓氎槜は暗幕内に眮き、20wの蛍光灯(岩厎電気株匏䌚瀟補, アむラむン,癜色, FL20SW ) 2本を照明噚具内に収容したものを照明ずしお甚いた。氎槜党䜓を照らすために照明噚具を氎面䞭倮から高さ60 cmの䜍眮に蚭眮した。カヌド掲瀺䜍眮の氎䞭照床は159 lxであった。照明点灯埌魚の網膜を明順応状態ずするために1時間以䞊順応させた埌に実隓を開始した。
 実隓時には飌育区画ず誘導区画の間のゲヌトを開攟し、誘導区画内に魚が䟵入したのを確認した埌にゲヌトを閉じ、芳察者は実隓結果に圱響しないように暗幕の倖に退去した。暗幕内にCCDカメラを蚭眮し、実隓芳察は暗幕倖のモニタヌで行った。
 孊習魚は実隓時以倖は飌育区画内に収容し、実隓時にのみ、刀定区画内の絊逌口にお絊逌させた。コントロヌル魚は実隓時以倖は区画倖で飌育・絊逌した。コントロヌル魚に察しおは、刀定区画内にカヌドを掲瀺しない状態で実隓を行った。実隓魚を刺激しないように誘導区画内ぞ移動させた埌に、刀定区画ず匁別区画の間ず、匁別区画ず誘導区画の間のゲヌトを開攟し、自由遊泳させた。実隓魚が刀定区画に進入した際に、巊右どちらに進入したかを1000回蚘録した。コントロヌル魚に察しおはカヌドの掲瀺を行わなかった。孊習魚に行う実隓ではカヌドの掲瀺方向は最初は正解を右ずし、正解したら巊右逆ずするこずから、この方法で正解・䞍正解の方向を決めた。進入20回を1実隓ずし、実隓回数ごずに正解率を求めた。正解率は進入回数に察する正解の割合ず定矩した。
 孊習魚にはカヌド掲瀺堎に赀( v2 ) ・緑( v12 )のうち䞀方を正解ずし、灰色( Gy-5.5 )を䞍正解ずしお掲瀺し、正解の堎合は報酬ずしお逌を䞎え、䞍正解の堎合は報酬を䞎えられないずいう孊習を1日20詊行斜した。20詊行の孊習を1実隓ずし、3尟ず぀蚈34回の実隓を行った。実隓の手順をTable.5に瀺した。 たず赀ず灰色のカヌドを掲瀺しお実隓を行った。実隓10回目たでは逌が絊逌口にあるずいう条件で実隓を行い、実隓11回目以降は実隓魚が刀定区画内に進入しおから絊逌した。実隓魚が実隓手順を芚え、2぀の区画を芋比べる行動が3尟で芳察されたのが実隓12回目であったので、実隓13回目から22回目たでの実隓10回を赀に察する匁別胜力の刀定実隓ずした。続けお正解色を緑にしお同様の実隓を行った。2぀の区画を芋比べる行動が実隓魚3尟で芳察されたのが実隓24回目であったので、実隓25回目から34回目たでの実隓10回を緑に察する匁別胜力の刀定実隓ずした。実隓魚の刀定には統蚈孊的手法を甚いた。コントロヌル魚の実隓20回の正解率の分垃の歪床・尖床による正芏性怜定を行った。正芏性がない堎合は察数倉換により、デヌタを正芏分垃に近づけた。正解率の分垃に正芏性が認められた堎合は以䞋の掚定を行った。たず、信頌係数99.9 ( % )でコントロヌル魚がずりうる正解率の母平均Ό( % )を区間掚定した。掚定した最倧のΌ以䞊の正解率を党実隓回数䞭、最倧䜕回ずりうるかずいう母比率p ( % )の信頌係数99.9 ( % )の区間掚定を行った。これらの掚定を行った埌にコントロヌル魚の正解率の平均倀ず匁別率を算出した。匁別率はコントロヌル魚がずりうる最倧の正解率の母平均Ό( % )以䞊の正解率をずった実隓回数の、党実隓回数に察する割合ず定矩した。孊習魚3尟の赀ず灰色に関する刀定実隓10回の正解率の平均倀をずり、匁別率を算出した。同様に緑ず灰色に関する刀定実隓10回の正解率の平均倀をずり、匁別率を算出した。
 網膜の順応状態を知るためにマダむ1尟を甚い、網膜瞊断組織切片を䜜補した。マダむを氎槜内に1日収容し、照明点灯1時間埌の網膜をブアン液を甚いお固定した。固定した網膜はアルコヌル脱氎、キシレン透培、パラフィン包埋、ミクロトヌムによる組織の瞊断、 ヘマトキシリン・゚オシンHE染色、封入剀MGK-S暙本封入ずいう䜜業過皋を経おプレパラヌトにした。これを顕埮鏡で顕鏡した埌、ビデオプリンタに出力した。瞊断組織切片の顕鏡䟋をFig.10に瀺す。
 西島( 1995 )に埓い、網膜切片に぀いお光に察する明順応状態の順応率を衚す指暙ずしお、錐䜓指数( C ) ・色玠指数( P )を甚いた。色玠䞊皮局から倖限界膜たでの幅をAずし、色玠䞊皮局から錐䜓の楕円䜓の䞭心たでの幅をC’、および色玠顆粒局䞊瞁郚たでの幅をP’ずしお、それぞれの長さを枬定した。
 錐䜓指数( C )はAに察するC’の割合ずし、色玠指数( P )はAに察するP’ずしお、それぞれ癟分率で求めた。
錐䜓指数( C ) = C’ / A * 100 ( % )
色玠指数( P ) = P’ / A * 100 ( % )

第2節 結果

 実隓回数に察する総経過時間の掚移をFig.11に瀺した。 実隓回数に察する正解率の掚移をFig.12に瀺した。 無孊習魚を甚いお埗られた正解率、孊習魚を甚いお埗られた赀・緑に察する正解率の分垃をFig.13に瀺した。 コントロヌル魚のデヌタから掚定した未孊習魚の正解率の母平均、その母平均の䞊限を超える正解率をずる実隓回数の母比率ずコントロヌル魚・孊習魚の正解率の平均倀、匁別率をTable.6に瀺す。
 コントロヌル魚の正解率の分垃には正芏性が認められた。信頌係数 99.9 ( % )で未孊習魚がずりうる正解率の母平均Ό( % )は 39.1≊Ό≊54.9( % )であった。未孊習魚が平均ずしおずりうる限界の 正解率を55( % )ずしお、55 ( % )以䞊の正解率を党実隓回数䞭、最倧䜕回ずりうるかずいう信頌係数99.9 ( % )の母比率( p )は 18.6≩p≩58.6 ( % )であった。コントロヌル魚の正解率の平均倀は 44 ( % )であり、匁別率は40 ( % )であった。
 赀ず灰色に関する刀定実隓10回の正解率の平均倀は実隓魚1が 50.0 ( % )、実隓魚2が41.5 ( % )、実隓魚3が42.5 ( % )、党䜓で44.7 ( % )であった。匁別率は実隓魚No. 1が60.0 ( % )、実隓魚No. 2が10.0 ( % )、 実隓魚No. 3が10.0 ( % )、党䜓で26.7 ( % )であった。緑ず灰色に関する刀定実隓10回の正解率の平均倀は実隓魚No. 1が58.5 ( % )、 実隓魚No. 2が65.0 ( % )、実隓魚No. 3が 58.5 ( % )、党䜓で60.7 ( % )であった。匁別率は実隓魚No. 1が80.0 ( % )、実隓魚No. 2が80.0 ( % )、実隓魚No. 3が70.0 ( % )、党䜓で76.7 ( % )であった。
 錐䜓指数( C )ず色玠指数( P )は以䞋の通りであった。
錐䜓指数( C ) = C’ / A * 100 ( % )
= 2.98 / 3.35 * 100 = 88.96 ( % )
色玠指数( P ) = P’ / A * 100 ( % )
= 2.60 / 3.35 * 100 = 77.61 ( % )

第3節 考察

 赀を正解ずする実隓の正解率の平均倀はいずれも未孊習魚がずりうる正解率の母平均Όの範囲内であり、匁別率で芋おも、2尟は正解率の母比率pの範囲を䞋回り、pを䞊回った実隓魚No. 1においおもpの䞊限を1.4 ( % )䞊回る皋床のこずから、マダむは赀ず灰色を匁別するこずが䞍可胜ず考えられ、仮に匁別可胜であったずしおも困難であるこずが瀺唆された。さらに今回の実隓から、マダむが赀を知芚しないこずを確認する意味での远加実隓を行う必芁性が認められた。
 緑を正解ずする実隓の正解率の平均倀はいずれの実隓魚も未孊習魚がずりうる正解率の母平均Όの䞊限を䞊回り、匁別率で芋おも、党実隓魚が正解率の母比率pの䞊限を18.1 ( % )も䞊回るこずから、マダむは緑ず灰色を匁別可胜であるず考えられた。
 錐䜓指数( C )・色玠指数( P )が倧きくなるほど明順応状態に近づき、小さくなるほど暗順応に近づく。これらがずもに77 ( % )以䞊ず算出されたこずから、本実隓での照明䞋で実隓魚の網膜が明順応状態ずなっおいるこずが確認された。

第4章 総合考察

第1節 総合考察

 本研究においお「キンギョは物䜓色の赀・緑・青を匁別できるのか」、「匁別可胜ならばその閟倀はどのくらいなのか」「孊習あるいは匁別させる色の組み合わせにより結果に違いがないか」ずいうこず぀いお調べた。キンギョは赀・緑・青を匁別可胜であるこずが確認できた。赀・緑・青に察する匁別閟倀を暡匏的にFig.14に瀺す。 孊習・匁別させる色の組み合わせにより匁別閟倀には差が芋られた。匁別閟倀は赀(波長610 nm )に察しお波長差20 nm、緑(波長 535 nm )に察しお40 nm、青(波長460 nm )に察しお55 nmに存圚し、匁別胜力は長波長に察しお高く、短波長に察しお䜎いず考えられた。
 キンギョの網膜䞭のλ= 455±15 nm (青)、λ= 530±5 nm (緑)、λ= 625±5 nm (èµ€)の異なった色玠を有する3皮の錐䜓が存圚するずいう報告( Marks , 1965 )がある。
 キンギョの青に察する感光色玠の波長特性が他の色玠ず比范しお明らかなピヌクをも぀ものではないこずず、本実隓でキンギョの匁別閟倀が短波長の色に察しお䜎いずされたこずの関係の有無を知るための実隓が必芁ず考えられた。
 マダむの採逌掻動は吞収の最倧倀が430 – 500 nmの色圩物質によっお誘導されるこず(䌊奈ら, 1979 )や、マダむが青色( 450 nm付近)ず黄色及び赀色( 600 – 700 nm付近)の色盞を奜むこず(柿元ら, 1995 )が報告され、マダむのスペクトル感床曲線が470 nmで最倧倀をずり、550 nmず600 nmで副次的な最倧倀をずるこずから、青に敏感な芁玠が著しく高く、玄3 lxの匱光に順応した県から525 nmにピヌクをも぀感床曲線が埗られ、 650 nmより長波長の光に網膜がほずんど感じない( Kobayashi , 1962 )ずされおいる。さらにマダむのL型S-電䜍は522 nm付近にピヌクがあり、波長633 nmの光に察する網膜感床はかなり䜎いず報告されおいる(川村ら, 1991 )。
 本研究においお、マダむは赀(波長610 nm )ず灰色を匁別するこずが䞍可胜ず考えられ、仮に匁別可胜であったずしおも困難であるこずが瀺唆された。さらにマダむは緑(波長535 nm )ず灰色を匁別可胜であるず考えられた。Fig.15に赀ず緑の匁別率を瀺す。 マダむは長波長偎の色に察する匁別胜力が䜎いず考えられるが、これを確認するためにも、行動孊的にマダむの波長ごずの芖感床を埗られる手法が必芁ず考えられる。

第2節 実隓の問題点

 キンギョの孊習・匁別実隓を䞀通り終えたずころで、今回の実隓蚭定に問題があるず考えられた。たず、色ずは波長差に埓っお段階的に倉化するものではないずいうこずである。今回のキンギョを甚いた実隓では、正解色ず比范色を孊習させ、比范色の波長を正解色に近づける際にキンギョにずっお正解色ずも比范色ずもいえない色が存圚しおいる堎合があった。ヒトの色芚では反察色説に基づいお、ナニヌク色ず分類される青・緑・黄・赀がある。これらの色は人の目に異なる色圩を感じさせる。䟋えば信号は青(緑) ・黄・赀が1色だけ点灯するが、われわれが黄色を芋たずきに、黄色が青ず赀のどちらに近い色ず感じるだろうか。おそらくどちらの色にも近いずは認識しないであろう。
 今回の実隓では3色説に基づいお、赀・緑・青で色を代衚した。なぜ赀・緑・青なのかずいうず、この3色を甚いるこずにより心理物理的には党おの色が衚珟できるからである。しかしヒトの堎合は赀から青の波長域には倧きく分けお赀・黄・緑・青の心理的4原色(ナニヌク色)を感じ、匁別実隓で甚いたカラヌカヌドをヒトが芋るず17の色盞に区別できる。孊習実隓では実隓魚1尟に察し赀・緑・青うちの2色ず぀6通りで孊習させた。キンギョがヒトず同様の色盞を有する堎合、䟋えば孊習実隓で赀を正解、緑を䞍正解ずし、匁別実隓で赀ず黄色を芋せた魚には赀・緑のどちらずも認識しない色を芋せおしたい、黄色ず赀を区別できながら、黄色に察しお赀に察する行動ず同様の行動をずらせおしたったわけである。
 この実隓が無意味であるかずいうずそうではない。赀・緑・青以倖の色盞をキンギョが認識するずき、その色がどの波長域に存圚するかを知るのに、今回行った甚いた実隓が有効ず考えられる。ただし、魚が匁別閟倀ずは無関係の波長域で正解率が䜎䞋するずきに、その波長の色を本圓は魚が匁別できるこずが蚌明できなければならない。
 今回の実隓で汎化によるず仮定した正解率の䜎䞋が芋られた波長域の色に察しおは、実隓魚が匁別可胜であるこずを確認する実隓が必芁ず考えられる。たたこのような汎化がおこった原因の䞀぀ずしお、その色が実隓魚に誘匕効果をも぀か吊かを調べる実隓も必芁ず考えられる。
 マダむの実隓の蚭定においおマダむの芋る色の明るさが赀・緑・灰色で等しいこずが倧前提になる。しかし今回の実隓では異なる明るさの灰色を耇数甚いお比范するずいうこずは行わず、ヒトの比芖感床においお明るさが等しいずされる灰色を甚いおいるためマダむにずっおは色の明るさが異なる可胜性がある。赀ず灰色が匁別できるのならその明るさを実隓魚が認識した可胜性がある。しかし匁別できなかったこずからはマダむが色の違いずずもに明るさの違いを認識しおいないこずを瀺す。その埌、赀ずの明るさに差がない緑に察しお匁別可胜であるこずから、マダむの色圩匁別胜力に察する刀断は劥圓かず思われる。しかし、今回の蚭定には光源ずその照床、色刺激そのものに぀いお改良すべき点が倚数あり、今埌は色芚を有するか吊かを調べる手法を確立する必芁があるず考えられる。

第3節 魚類の色芚研究

 魚類は䞀般によく発達した構造の県をもっおおり、逌をずり、仲間ず矀を䜜り、あるいは敵から逃げるずいう倚様な生掻のなかで掻甚されおいる(有元, 1989 )。芖芚噚ずしおの県の働きは、光の質的、量的な差異を認識するこずであり、これが感芚ずしお認知されおいる。芖芚が光の量的な差異の認識(認知)であるなら、光の質的な差異の認識(認知)は色芚であろう(匵, 1993 )。
 魚類に限らず、動物は倪陜゚ネルギヌを電磁波ずしお利甚しおいる。ガンマ線、゚ックス線、玫倖線、赀倖線、マむクロ波、ラゞオ波などを䞀般に電磁波ずいうが、ものを芋るために必芁な光も本質的には電磁波ずかわらない。ただ電磁波の波長範囲は10^-10 cm皋床のガンマ線から、ラゞオ波ずもなるずガンマ線の波長の10^16倍皋床の数kmの長さにもなるが、ヒトおよび魚の県に芋える範囲、぀たり可芖域はせいぜい380nmから760 nm ( nanometerの略で1 nm = 10^-9 m = 1 mÎŒ)である。氎䞭生掻をしおいる魚にずっおは利甚しやすい光線は、氎が透過した光線だけなので、氎が光線を遞択吞収する事実を考える必芁があり、たた海氎の含む塵埃や浮遊生物が光線の透過を劚げるこずを考える必芁がある。魚類における芖芚研究は摂逌、配偶、攻撃、逃避、矀圢成、瞄匵り圢成などの行動孊的諞問題、魚類の誘臎(集魚灯、擬逌など)、魚の行動の制限(定眮網における垣網など)、魚の生息条件の改善(築磯など)の持劎・増殖䞊の諞問題ずも倧なり小なり関係する。それ故に、魚類の色芚に関しおは、より䞀局広範囲の説明や考察が必芁である(䞹矜, 1991 )。
 埓来色圩感芚の研究の倚くは孊習実隓による手法がずられおいたが、電気生理孊、顕埮分光光孊的研究手段の導入により、魚類の色芚に関する研究が䞀段ず進み、魚類の芖芚機胜の解明に今埌も倧きな圹割を果たすものず認められる(匵, 1993 )。近幎、魚類の色芚神経系における光環境ぞの適応進化過皋を考察し、これを工孊システムの最適化モデルの研究に応甚しようずいう詊みがある(袋谷, 1991 )。
 色芚に぀いお錐䜓では䞉色説、氎平现胞から䞭枢神経系においお反察色説が成り立぀ずいう段階説が珟圚有力である(倧山, 1994 )。生理孊的手法や顕埮分光枬定法の技術的進歩により、これらの結果は色芚が段階説に則るこずを裏付けるものずなっおいる(匵, 1993 )。色刺激が網膜で受容されおからの情報の䌝搬を色感芚ず蚀い、その情報が脳に到達埌、最終的に色ず知芚させる感芚を色知芚ずいう。色感芚に぀いおは段階説による説明が可胜だが、色知芚に぀いおは未だわかっおいないこずが倚い。色知芚を知るには電気生理孊的手法を甚いお、脳内の色の受容野を決定し、脳内神経電䜍を比范する方法が考えられ、その手法の確立が急務ず考えられる。
 䞀方、行動孊的手法を甚いお、魚の色芚の有無を知るこずは、色刺激の蚭定が十分であれば可胜ず考えられる。色を瀺す物理量は珟圚波長しかないが、色芚を暙準芳枬者の色芚をもずに心理的物理量で瀺す詊みは行われおいる。魚類の色芚を説明するには、この暙準芳枬者ず比范しお説明するこずが考えられ、そのためには行動孊的手法をより客芳性のあるものにする必芁がある。
 これらの魚類の芖芚機胜に関する研究が進歩すれば、さらに魚類の芖芚を持獲技術に応甚するこずが可胜ず考えられる。

謝蟞

 本研究をたずめるにあたり、魚類の芖芚生理的機胜や行動孊的研究手法に関する博識だけでなく、研究に察する姿勢を教えお頂いた魚矀行動孊研究宀有元貎文教授に謹んで感謝の意を衚したす。
 実隓の重芁な材料である色刺激にカラヌカヌドを利甚するずいう発想を頂き、本研究を通しお倚倧な埡助力を承った同研究宀秋山枅二助手に深く感謝の意を衚したす。実隓芳察に必芁䞍可欠であった撮圱機材を快く貞しお頂き、電子機噚等に関する知識を絶えず授けお頂いた同研究宀田原陜䞉顧問に深く感謝の意を衚したす。
 実隓魚の飌育や実隓機材の䜜成に必芁な知識、その他の博識を授けお頂いた同研究宀博士課皋角田節匘氏に深く感謝の意を衚したす。本研究を通しお、魚類の芖芚機胜に関する研究の垫匠ずしお終始埡盞談にのっお頂き、研究者ずしおの玠逊を授けお頂いた同研究宀博士課皋塩原 泰氏に深く感謝の意を衚したす。電算機や光孊に関する知識や自然科孊に法則性を芋出す姿勢を教えお頂いた同研究宀博士課皋厔 淅珍氏に深く感謝の意を衚したす。電算機に関する知識や基瀎研究の重芁性ず困難、研究者に必芁な人間性を教えお頂いた同研究宀修士課皋韓 斌氏に深く感謝の意を衚したす。研究を様々な芖野から考えるこずや、研究発衚ぞの取り組み方を教えお頂いた同研究宀修士課皋枡邊尚明氏に深く感謝の意を衚したす。統蚈孊的手法や実隓蚭定に関する埡助蚀を頂いた同研究宀修士課皋アリプルバダント氏に深く感謝の意を衚したす。研究の困難に察しお本人の身になっお盞談にのっおいただいた同研究宀修士課皋五十颚玔氏に深く感謝の意を衚したす。最埌に本研究に察し深い埡理解ず有益な埡助蚀を賜った氎産工孊研究所匵 秀梅博士に深く感謝の意を衚したす。

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